2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

2種類の斉一性

斉一性が想定されていなければ、前回はAだった、今回もAだった、だから、次回も、過去も、これからもずっとAではないか、という帰納的考え方は成り立たない。だから、斉一性は、帰納が成立するために必要な条件、前提ということになる。 一方、なぜ、自然は…

根本的な斉一性

太陽が毎朝東の空から昇るという法則においては、自然の斉一性を問題とするには不十分で、自然の斉一性が本当に問題になるとしたら、いまなら、万有引力の法則とか、相対性理論において、ではないか、というようなことを前回書いたが、それは何故だろうか? …

仮説が誤っている可能性と自然の斉一性

太陽は毎朝東の空から昇る、という法則がある。これまで太陽は毎朝東の空から昇ってきた、だからこれからも毎朝東の空から昇るだろう、という法則である。この法則は自然の斉一性を前提とした法則であり、明日の朝は太陽は東の空から昇らないかもしれない、…

法則の作られ方

科学的帰納。これもクラスのいくつかの要素の特徴にもとづいて全クラスにその特徴があるという結論を出すのであるが、この場合にはその特徴が全クラスの所有であるといえるように、諸要素の間の本質的結合を発見していることを基礎とする。そこで、科学的帰…

法則、帰納、自然の斉一性

用語の意味を理解していなかった、というわけなので、ここで帰納と自然の斉一性について少しまとめます。 帰納とは、「個別的・特殊的な事例から一般的・普遍的な規則を見出そうとする推論方法のこと」で、「個別・特殊的事実の多さから結論がどのくらい確か…

法則に「自然の斉一性原理」を付け加えることについて3

<上の式に、自然の斉一性原理を付け加えなければ、法則として成り立たない、予測ができない。自然の斉一性原理がなければ、上の式は、未来には成り立たなくなくなるかもしれない。だから、上の式には自然の斉一性原理を付け加えなければならない。> しかし…

帰納

世界的微小「グルーのパラドックス」入門 「帰納主義の問題」猿でもわかる哲学史 科学哲学の冒険:サイエンスの目的と方法をさぐる 「帰納の諸問題」 帰納推論を、「これまで帰納推論はうまくいった」ことを理由に正当化することもできない。テツオ「その「…

法則に「自然の斉一性原理」を付け加えることについて2

y:ボールの位置(y位置、地面からの高さ) g:重力加速度 t:時間 v:ボールを投げ上げた速度(鉛直上向きに投げ上げた速度) p:初期位置(初期y位置、地面からの高さ) この式は、鉛直上向きにボールを投げ上げたときのボールの動きを表現する式(法則)です。…

法則に「自然の斉一性原理」を付け加えることについて

法則には、法則本体とその適用範囲がどこまでか、というふたつの側面がある、と考えることができる。物の動きについての法則なら、ものの動きを表現する簡単な表現と、その表現はいつからいつまでなりたつのかどこまでならなりたつのか、というふたつの側面…

「自然の斉一性」

「自然界で起きる出来事は全くデタラメに生起するわけではなく、何らかの秩序があり、同じような条件のもとでは、同じ現象がくりかえされるはずだ」という仮定。推論の一種である枚挙的帰納法を成立させるために必要な前提として、18世紀スコットランドの哲…

法則とは何か

かつて法則は、観察・実験を繰り返すことで帰納的に得られる、と考えられていた時代もある。 だが、現代では、法則はあくまでとりあえず「仮説」としてたてられ、その仮説から具体的・個別的な命題を導き出し、その命題を観察・実験で検証し、有効性が検証さ…

疑問の整理

法則のとおりに物が動くのは不思議なことだからそれは何故なのか考えよう、という疑問は、正当なもの、まともな疑問なのか、という不安もあるので、少し確認しておこうと思います。 法則は、現在手に入れているデータから作る。法則は、作成するもので、発見…

ニュートン力学でも、重いものほど速く落ちる、ということについて2

重いものも軽いものも落下速度が同じ、とわざわざ言うとき、実感では重いもののほうが速く落ちそうだが実験で確かめてみると違った、と言いたい気持ちが含まれている。さらに、空気抵抗を考慮に入れると一般的に重いものほど速く落ちる、ということや、地球…

ニュートン力学でも、重いものほど速く落ちる、ということについて

「重い物体も軽い物体も同時に落ちるって本当?」 「重いものほど速く落ちるんじゃない?」 (万有引力の法則 G:万有引力定数 M:地球の質量 m:物体の質量 r:地球と物体の間の距離) r(地球と物体の間の距離)は減少していくが、 その原因には物体の運動に…

法則を作った後に得られるデータが、法則に一致することは、法則を作る前から想像できる、ことについて

法則を作った後に新しいデータを得たとき、あるいは、法則を作るために直接使用したわけではないデータを法則作成後に法則に合致するかどうか再検討するとき、そのデータが、法則に合致すること(あるいは、合致しないとしても法則からそれほどかけ離れたデ…

モデルとデータ

物理のモデルを作って当てはめる話と、データを取って誤差の分布がガウス分布だから、データに分布を当てはめてパラメータを推定して、次から得られる未知データは同じ分布から発生するものだという話を別にすればよいのではないか? http://d.hatena.ne.jp/…

法則ができた後のデータ

法則は、過去の観測データから作る。だからといって、法則ができた後に観測されたデータが、完全に未知のデータだというわけではないのではないか。法則ができた後に観測されるデータとは、観測されていないデータではなく、観測されていたデータの、再検討…