疑問の整理

法則のとおりに物が動くのは不思議なことだからそれは何故なのか考えよう、という疑問は、正当なもの、まともな疑問なのか、という不安もあるので、少し確認しておこうと思います。
法則は、現在手に入れているデータから作る。法則は、作成するもので、発見するものではない。たとえ発見するものだとしても、得られた法則が現実に世界を動かしている法則だと言える証拠はどこにもない。(石を割ったら法則のとおりに動いているという回路が石の中から出てくるわけでもないし、石に設計図が書き込まれているわけでもない。たとえ回路や設計図が出てきたとしても、それがあるから石が現在動いているように動く、と言える証拠は、どこを捜してもない。)現在手に入れているデータから作られた法則が、現在手にいれているデータに適用できることは、理解できる。法則は、現在手に入れているデータに合致するように作ったのだから、法則が現在手に入れているデータに合致することに、不思議なことは何もない。しかし、その法則は、まだ観測されていないデータにも適用できてしまう。それどころか、まるで、法則がデータを産出しているかのように、これからどうなるかの予測さえできる。これは不思議なことのように思える。だからこの不思議を解明したい。
では、この不思議は、どのように解明されるのか? どのようになったら、この不思議は解消された、ことになるのか? 解消されたと言えるのか。どこに向かって考えを進めていけば、疑問を解消することができるのか。
前提としてまず考えておかなければならないこととして、法則とは何か、ということがあるのではないかと思います。法則の性質をもう少し詳しく見れば、未来のデータも予測できて当然、かもしれない。未来の予測ができるものとして法則を作った、ということになるかもしれない。あと、予測ができている、ということについての疑問があります。予測ができるとはいうけれども、本当に予測できているのか、という問題があるように思います。