目を閉じたまま眠りから目覚める

目を閉じている、ということは、眠りにとっての本質ではない。のかどうかはよく知りませんが、まぶたの無い人や、目の見えない人も眠ることができるだろうから(そうでないと、まぶたの無い人や目の見えない人は、目を閉じたり開けたりすることができないというだけで眠ることや起きることができないことになり、たぶん長く生きられない)、おそらく、目を閉じている、もしくは目を開ける、ということは、眠りや目覚めにとっての本質ではない。

半年ほど前、朝、目を覚ましたとき、目を開けずに、目を覚まし、「いま起きたけどまだ目を開けていない。人間は目を開けずに起きることができるのか。」と思ったことがあります。このとき、眠りと目の開閉の分離についていろいろ考えてしまい、そのまま目を開けずに、また寝てしまいました。また寝たというの嘘ですが目を開けずに起きたことがあるのは本当です。貴重な体験をしたと思いました。訓練によって毎朝目を開けずに起きる、ということは可能でしょうか。可能なような気はします。

目を閉じ、まぶたの裏に見えるぼんやりとした光に意識を集中すると、目の前に光景が開けて、目を閉じているのに、目を開けているかのような気持ちになることがある。眠る前にこの状態になると、目を閉じても目を開けているかのようになり、なかなか眠ることができなくなる。こういうときはいったん目を開け、目を開けてものを見る=目を閉じるとものが見えない、という状態に慣れてから、目を閉じて眠りに入らなければならない。こういうときは、目を閉じることが眠りの本質、入眠の本質、ではないか、という気持ちになる。もちろんまぶたの無い人や、目の見えない人も入眠するのだから、目を閉じること=目の前に光景が開けている、から、目の前に何も見えなくなることへの変化、は、入眠の本質ではない。単に眠りやすいかどうかの程度問題なのかもしれません。