スピノザ『エチカ 上』(岩波文庫)isbn:4003361547
P76
定理十九
神あるいは神のすべての属性は永遠である。
「神の属性とは神的実体の本質を表現するもの(定義四により)、言いかえれば実態に属するもの、と解されるべきである。」
「(『デカルトの哲学原理』定理十九)」
定理二〇
神の存在とその本質は同一である。
定理二一
神のある属性の絶対的本性から生ずるすべてのものは常にかつ無限に存在しなければならぬ、言いかえればそれはこの属性によって永遠かつ無限である。
定理二二
神のある属性が、神のその属性によって必然的にかつ無限に存在するようなそうした一種の様態的変状に様態化した限り、この属性から生起するすべてのものは同様に必然的にかつ無限に存在しなければならぬ。
定理二三
必然的にかつ無限に存在するすべての様態は、必然的に、神のある属性の絶対的本性から生起するか、それとも必然的にかつ無限に存在する一種の様態的変状に様態化したある属性から生起するかでなければならぬ。
定理二四
神から産出された物の本質は存在を含まない。
証明 定義一から明白である。なぜならその本性(それ自体で考察された)が存在を含むような物は自己原因であって、単に自己の本性の必然性のみによって存在するからである。
神は物が存在し始める原因であるばかりではなく、物が存在することに固執する原因である
「実体」「属性」「様態」「(神から「産出」された)物(の本質)」