観測データ法則化のわざとらしい例

純化してわざとらしい例を作ってみる。

データ数が少なすぎる、そんなに単純ではない、とすぐに思いますが、この例は批判されるためにあるということで行きます。


自然を観測して以下のような数列データを得た。


414442434454

何度も観測しデータを見ているうちに、4はノイズなのではないか、無視してもよいデータなのではないか、と判断し、生データから4を取り除いてみた。


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4を除いて出てきた数列。規則性がありそうな気がする。


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素数列なのではないか? と気付いた。素数列だと仮定できる。


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何度データをとってもこの数列が現れてくる確率だけが飛びぬけて高い。これはおそらく素数列だ。


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素数列だと仮定した。「素数列の法則」の成立。あるいは、素数列の法則の誕生、または、発明。

これで予測ができる。

1の次は2だし、2の次は3だ。何度観測してもそうなるし、3の次が5だということにして砲弾を飛ばすと、ちゃんと5に命中する。

今はデータが無いし、なかなかデータを得ることができないが、5の次も、おそらく7に違いない。


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苦労や技術が進んだりした結果上の数列データを得る事ができた。

やっぱり7だった!

これは間違いない。素数列だ。やはり「素数列の法則」は正しかった。


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何度観測してもこうなる。

自然現象は素数列の法則によって動いている。自然には素数列を生む力が内在している。のではないか。万有素数の法則だ。物どうしは素数で動いているんだ。素数の神秘とか自然と素数とかいろいろ考えたりして200年が過ぎた。


観測技術が進み7以降の数字も調べられるようになった。


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新たな観測結果を得た。7の次は9だった。

素数列ではなかった。自然現象は素数列の法則によって動いていなかった。


ではどのような法則なのか? すくなくとも7までは素数列の法則がほぼ完璧に成り立つ。

明日になれば素数列の法則がまた成り立つようになるのか?

今までは偶然素数列だったのか?

4を取り除かないときも成り立つ法則を考えるべきか。

9を含めた新しい法則を考えてみようか。

9を含めた新しい法則を考え出すことができた。

がんばって観測して9の次のデータを得ることができた。

9が出てきたとき考えた法則と合致しないデータだった。

その新しいデータにも対応できる新しい法則を考え出した。

……。

以下続く。



こういう感じで進んでいるのでしょうか……。

これで合ってるんでしょうか。合ってるというのは変かもしれませんが……。素数列=万有引力、とか、素数列=重いものほど速く落ちる、素数列=天動説、のような感じでしょうか。それは違うような気がする。気のことばかり書いてすみません。初期の地動説の問題を考えるとこの例とは全然違うし……。こんな素朴な例でも混乱するのだから、データに面積速度とか距離の逆2乗に比例とかいう操作まで加えられたら、全くわからなくなりそう。数字の表を眺めててわかる話では無いだろうから、私の知らないいろいろなことがもっとありそうです。それとも数字の表を眺めててわかる話なのだろうか? 重いものと軽いものを連結して落とす思考実験のほうを先にちゃんと考えないといけないと思います。

例を考えてから気付きましたが、私はこの問題にはあまり興味がないのかもしれないと思いました。私に興味があるとかないとかそんなことを書いてすみません……。純粋なデータが法則を反証することがあるのかとか法則の生成変化とか妥当性よりも、データとその法則化とそれによる予測、あたりのことのほうが不思議感が大きいような気がします。3の次は5だし5の次に7が出てきて当たってしまうことの不思議感です。そんな不思議は単純な誤解をしているから感じる不思議のような気がするので嫌なのですが……。