スピノザ『エチカ 上』(岩波文庫)isbn:4003361547

 
P94まで。
第一部「神について」読了。

定理三十六の後にある第一部の「付録」では、神と人間の自由と必然についての「偏見に」対して、かなり強い調子で批判している長文がある。特に「それは帰謬法ではなく帰無知法(人の無知に基づく証明法)とでも言うべきやりかたである」(P88)というところは、ほとんど道徳的な批判(人格的な批判?)をしていると言ってもいいのではないでしょうか。『エチカ』にこうしたことが書かれているのは不思議な感じがする。

細かいところでは理解できないところ意味のわからないところはたくさんあったし、それでは結局何も理解できていないし意味がないのかもしれないけど、大体においては理解できるようになったと思う。2回目だし、『デカルトの哲学原理』と『知性改善論』を読んでから(読んだ気になってから)だし、『スピノザの世界』を読んでから、というのが大きいと思う。『エチカ』をこの調子で最後まで読んで、スピノザの他の本を一通り読んでからもういちど『エチカ』を読めば、今度は積極的に読めそうだ。それまで興味が続いていれば、だけど。

第二部「精神の本性および起源について」開始。この調子で行きたい。