友達がいない


『子どもの難問』の「友だちって、いなくちゃいけないもの?」についての一ノ瀬正樹さんの文章がとてもよかった。
孤独については、中島義道さんや諸富祥彦さんなど多くの本があるが、ほとんどが本当に孤独と呼べるかどうかあやしい贅沢な孤独、貴族の孤独について書かれており、友達や恋人や家族や同僚や親せきや知り合いが単にいないできないという孤独について書かれた本はめったにない、というか見たことがない。私が知らないだけだと思います。私は、山田花子さんの漫画とかそのあたりでちょっと見たことがあるくらいです。だからこの一ノ瀬正樹さんの文章を読んであたたかい気持ちになり少し元気になれました。きみにも友だちができるよとも、誰もが孤独なんだよとも、孤独な時間こそが必要なんだよとも、書かれていない。けれど、もしかすると、ひとりでも元気で生きていけるのではないか、と思わせてくれる文章でした。