論敵

最初に感情があるから、最初から叩き潰そうとしてものを考えてしまうので、論点じゃないところにこだわられたり、揚げ足取られたり、逃げ回られたり、負かされたり、そういうことが起こってさらに感情がこじれたり、となるわけで、最初から自分の材料を全部見せていけばいいのではないか? と思ったが、なぜ自分の材料を見せるのかというと、そういう感情があるからで、それでは態度を変えてより根底的な勝利を取りに行っているだけに過ぎない。
最初の感情こそが問題ということになり、その時点ではまず自分に確かめる作業が必要になる。自分への確かめこそが難行だから、そこで一生が終わる。この面では、他人と関わる隙がない。
田村(ウ)について考えるのは、相手を負かしたいだけだからやめたほうがいいかもしれないと思ったことがあったが、そうではなく、自分について考えることでもあるから、というより、田村について考えるというのは、自分を成り立たせているものについて考えることだから、やめる必要はない、とつじつまを合わせることもできる。