幻触はある、のか?

(野O矢さんの『心と他O者』を読んでいます。)
幻覚、例えば、幻視、はあるとされる。
幻視は、遠くから見たらAに見えたけど近づいてよく見るとBだった、のように表現される、とする。
幻視と幻視ではないこととの対比で考えると、幻触は幻触ではないこととの対比が考えにくいところが、幻触はない、とされることの根拠だと考えられる(根拠、というのもおかしいような気はするが)。
薬物中毒になったとき、虫が体を這うような感覚になることがあるという。これは幻触ではないのか?
これは幻触というよりむしろ、夢を見ている、と呼ぶべき状況ではないか。
もし、これを、どうしても幻触と呼びたくないとしたら、それは、視覚とは異なる、触覚のどのような特性によるのか?
あるいはやはり、これは幻触と呼ぶべき状況なのか。