検証→規準と徴候

検証→規準と徴候

  1. 写像(命題画像説−命題は現実を写す画像のようなもの)
  2. 現実を写す画像としての命題の意味を知っているとは、命題がいかなる場合に真であるかを知っている、ということ(TLP4.024、4.063)。
  3. 「命題の意味とはそれを検証する仕方である」(検証原理)

命題とそれの検証との結び付きは(一見そう思われるように)経験的なものであるわけではなく、内的なものだからであろう。すなわち上述のいわゆる検証原理の定式化は、ある命題がそれの検証命題から帰結するということを定めた「文法の規則」なのである(cf.WWKp.186)。一方、仮説とは、命題を形成するための法則(PB§228,WWKp.99,LWLp.110)であり、命題はこの法則の例証である

  1. 命題を検証する仕方に違いがある
    • 直接的経験によって一通りの仕方で検証される(文法・内的・アプリオリ)→現象規準
    • 仮説・法則・例証としての命題→徴候
  2. 命題(規準)と仮説(徴候)が厳格に区別されるわけではない

ウqィトゲンシュタインの規準概念は、言q語ゲqームの多様性に応じて、様々な仕方で用いられている。すべての規準概念に共通する説明や規定を見いだすことはできない。なるほど規準は文法に関わっているのだから、それは言葉の意味(の一部)を決めると言えるかもしれない。しかし規準が変わっても必ずしもすべての場合に「その概念の意味が変わった」と言えるわけではない。われわれは厳格な規則に従って言葉を使っているわけではないのである(BBp.25)。規準概念の多様性は、この概念が様々な家q族的類似性概念に適用可能であることの証しである