メモ

いまでも「努力 必死 かっこわるい」で検索してくる方が多いんですけれど、努力がかっこ悪いということと、一生懸命努力することは大事なことだということは、両方とも理解できるつもりなので、特に引っかかるところはありません。(理解できるからひっかからない! こういうことを言う人にだけはならない、そういう気持ちでやってきたというのは嘘ですが、そういう人になってしまったわけです。それは残念だと思います。同時に自分の経験の厚みが背中で語るような自信を持ちたいものだ、とも思います。自信が無さ過ぎてつらいときもあるので)「努力 必死 かっこわるい」ということを、思わず検索したくなってしまう気持ち、「私はいま努力をかっこ悪いと思ってしまった!私はだめなやつなのだろうか……!」と思ってしまう気持ちについて、ついほほえんでしまうような、そんな微温的な気持ちです。
さて、今日も週刊少年チャンピオンをおっさんが読み、『バチバチ』と『弱虫ペダル』に感動したのですが、どこに感動したかというと、「(勝つために)すべて捨ててきた!」と「こんなのが地獄かよ(こんなのは天国と思えるくらいおれは努力してきた)」であり、つまり両方とも、熱血少年スポーツマンガの典型的なセリフです。私(おっさん)はいつもどおり、コンビニで中学生と並んで立ち、目に涙をにじませこの箇所を何度も読むわけです。ここで引用します。

俺、熱い人ダメなんだよ、熱く語る人いるじゃん。「やんなきゃ!」「やっていかなきゃ人間はダメなんです!」って。そういう人いると凄い俺テンション下がるの。俺、ある時スローガンがあったの、座右の銘。「やる気のある奴は、去れ」っていう。普通でいいんだよ、普通で。


http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/20090510%23p1

これは「努力 必死 かっこわるい」の感じ方で理解できる発言だと思います。
ここで整理します。

  • 熱いこと自体がだめ
  • 熱いことはそれ自体で良いことだ
  • 良い熱さと悪い熱さがある
  • 熱さには良い部分と悪い部分がある
  • 熱さには良いものが含まれているが、同時にそれが悪さとなって作用する場合もある
  • 冷静さに勝るものはない

以上をふまえて以下の引用を読みます。

ぼくは学習塾の教師をやっていた長い経験があるんですけれども、子供によって能力の差がすごくあるんですが、「きみはバカなんだから」とか「おまえはだめなんだ」とか絶対言っちゃいけない。どう言うかというと、「努力が足りない」と言うわけです。「もうちょっと頑張れ」ということを何度も言うわけね。「やってないからできないので、もうちょっとやれば必ずできるようになる」と。でも、これははっきり嘘なんですね。本当はやってもできないんですよ。あるいは、やるということができない。だけれども、それは言ってはいけないんですね。「もう少し頑張れ」と言って、少しでも頑張らせる。そうするとその子は、自分には能力がないということには気がつかないで、頑張れない人間に仕立てあげられていくわけです。


http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/michiaki/20100125/1264430573

これは小泉さんの発言だったように記憶しているのですけれど、引用もとによると、永井さんの発言のようです。それはともかく、「もう少し頑張れ」「やれば必ずできる」は、はたして「善なる嘘」でしょうか? これはちょっと微妙なところがあるように思えます。この微妙さが、引用をされた方の「"よくなるような"であって、"よくなる"ではない場合もあることが含意されてます」という発言につながっていくのだと思えるのですが(私には)、そのことについては明日以降で……。