日記ではなくフィクションです。

この映画は素晴らしい映画なので、素晴らしい映画を素晴らしいと思うことのできない私の感想は最低の感想だと思います。申し訳ありません。


もうしわけありません。久しぶりに見た映画ですが、席を立って出て行くのもよいのではないかと思わせられたのは、バズ・ラーマン「ロミオ&ジュリエット」を別にすればここ10年で初めてではないか、と思います。最初の橋の上の画面(大声を出す人)からどうもよくわからない、という嫌な予感がしますが、そのまま画面の範囲のわからなさ(地面が映らないのでどこを歩いているのかわからない、始終画面が動くので酔う)、画面のつながりのよくわからなさは続き、よくわからない前半に耐え忍んでいたところ、ソ連の将校に結婚を迫られる場面で初めておもしろくなりました。よく効く薬を置いていくよ、と言うところから既に漂っているエロい思惑が、冷めた紅茶がふたつ並ぶ暗い部屋に入るところから、いつ暴発するかとハラハラしました。「奥さん!(おれが優しい顔をしていられるのもいまのうちだぞ!)」といつ言い出すか緊張が高まりましたが、実は本当の親切だった! とわかったときはとても楽しく思いました。ベストシーンがここです。あとは、ソ連は犯罪を隠したのかもしれないけどドイツ(ナチス)の記録映像見せられてソ連の犯罪を信じた将校の妻がドイツの映像は信じてソ連の映像は信じない根拠がこの映画だけではわからないし、ここからどうなるか緊張する場面で緻密な処理を期待しているとなぜか何もないまま暗転してこのシーンは終わったことになって拍子抜けしたり、遺品の手帳が死の直前と思われる記述で終わりこの先がどうなったか誰にもわからない…… のかと思ったら手帳に記述のあったいままでと同じように死の直前までの様子が始まり、まあそれはそれでこういう流れもあるだろうとは思ったのですがなんとなく納得いかない、となったり、全体的に想像力を要求される難解な映画なような気がしました。
映画を見てつらい気持ちになることはなかなかないのですが今日はつらかったです。12/7は出世ができると幕末太陽伝という異常に楽しい映画が2本立てであるので無理してでも行くべきかなと思います。