「呪いのイメージ」という軽薄

http://twitter.com/tokoik/status/6038682416
はじめまして!!床井先生!
いつもOpenGLの勉強させていただいております。シャドウマップのところ30回くらい読みました。本当に役に立ちました!!ありがとうございます!

自分の苗字が呪いの言葉だということは学生時代に友人に指摘されて知ってたけどね


http://twitter.com/tokoik/status/6038682416

私は諸星大二郎さんのマンガの「トコイ……トコイ……」を見て、そのエキゾチック(?)な響きに、「呪いっぽい、よい擬態語(オノマトペ)だなぁ」と思いました。「トコイ」には呪いの意味があるらしいのですが、私は純粋に、擬音語擬態語として受け取ったのです。深い森の闇の中で時空を越えて縄文の呪いが響いてくる。その様子を表すものとして「トコイ……トコイ……」という見慣れない(聞き慣れない)文字面は、秀逸だなぁと思わせられるに足りるものでした。
しかし、自分の苗字が「とこい」だったなら話は違うのではないか、と思ったのです。自分の苗字が「とこい」だったら、「とこい」という発音は、おそらく物心付いて以来、最も慣れ親しんでいる言葉の発音のひとつであると思います。だとしたら、深い森の闇の中で時空を越えて響いてくる縄文の呪いが「トコイ……トコイ……」と表現されるのは、実に変な感じがするのではないでしょうか。少し無理気味に言えば、私は「トコイ……トコイ……」という擬態語を秀逸だなぁと思ったのですが、その感想は、「トコイ……トコイ……」という表現の見慣れない奇異さという「俗情に結託」し、その雰囲気にのぼせ上がっているだけではないか、そんなものに感心している場合ではないのではないか、と思った、ということです。実際に*1、「トコイ」という言葉には呪いの意味があり、それを踏まえたうえで諸星さんはこの言葉を使用しています。私は軽薄でした。今後は気をつけたいと思います。いろいろもうしわけありませんでした……。

*1:軍人は常に実を語ります。なぜなら無駄話が即命の危険につながるからであり、実でない言葉を話している暇など無いからです。