色の見え方と脳の2パターン

確定前

  • 被験者に赤い色を見せ、「赤い色が見える」と反応したときの、脳の状態を記録する。
  • 「赤い色が見える」ときと、脳の状態に対応が付けられるようになる。

確定

  • この脳の状態になったとき、赤い映像を出力する。(見え(視覚)の映像化)

確定後

  • 被験者Aに赤い色を見せ、「赤い色が見える」と反応したときの、脳の状態を記録する。
  • 映像を出力すると、青い色が映った。
  • この実験によって被験者Aは赤い色を見て青い色を感じていると結論付けられるのか?
  • 被験者Aは、「私が見た色はこの色ではない。これは青色だ。私が見た色は赤色だった。」と言う。
  • 赤い色を見て感じる赤い色(もしくは青い色)は、「色」なのか?

疑問

  • 確定前に、被験者Aのような人がたくさんいるとき、脳と色の対応は付けられるのか?

関連?


確定前は、人には赤い色がどのように見えているか、見え方に個人差があるのか、は全くわかっていない。その状態で実験を行うと、1.赤い色を見せたとき。2.「私は今赤い色を見ている」と被験者が言ったとき。主にこの2種類の場合に脳の状態がどのようになっているかを調べるしかない。つまり、この実験では、赤い色がどのように見えているかの実験としては成立していない。赤い色を見せているときや「私は赤い色を見ている」と言っているとき、他の人なら青い色を見せているときや青い色を見ていると言うときと同じような脳の状態になる人はいるかもしれないが、脳の状態とどのように見えているかが関連付けられていないので、結局、「他の人なら青い色が見えているときのような脳の状態になる(たとえば「他の人なら青い色が見えているときのような血流が見られる」)」以上のことは言えない。


人が赤い色を見ていると言えるのは、赤い色を見せているときや「私は赤い色を見ている」と言っているときや信号の色を見て止まったとき、でしかない。
たとえば、被験者が赤い色を見ていないと言うときでも、赤い色を見せているときや「私は赤い色を見ている」と言っているときや信号の色を見て止まったときと同じような脳の状態にたまたまなる可能性もある。そのときに、被験者がどう振舞おうが被験者は赤い色を見ているのだ、とは言えない。そう言ってしまうと順序が逆になる。
人が赤い色を感じているのかどうかはどんな振舞いや言動を観察したとしても確定できない。
だから、眠っているときに、赤い色を見せているときや「私は赤い色を見ている」と言っているときや信号の色を見て止まったときと同じような脳の状態になったとしても、その人が夢の中で赤い色を見ているとは言えないし、その脳の状態を映像化したとしても、それは脳の状態の映像化であって、夢の映像化ではない。