自分が青色を見て感じている青は他人が見たら赤色を見て感じている赤かもしれない問題における色の感情効果や脳波は非本質的要素

たとえば、赤色を見て青を感じている人は赤色を見て赤を感じ食欲が増すふつうの人は異なり、赤を見て食欲が減退しているのではないか、だとか、他人が青を見ているときに一般的に示す脳波が、自分が赤を見ているときに測定されたら、自分は赤を見て青を感じている証拠になるのではないか、だとかいう話は、「自分が青色を見て感じている青は他人が見たら赤色を見て感じている赤かもしれない問題」にとっては非本質的な話です。
誰もがそれを証拠として採用することのできる基準があるのなら、それに従えばいいだけの話です。この問題は、原理的に、基準を他人と共有できない、私が感じている「青」がどんなものか、私以外の他人には確かめることができない、という問題なのだから、そこで他人と共有できる新たな基準を持ちだしてくることは、的外れ、ということになります。
つまりこの問題は、人は一般的に青色を見たときに食欲が減退し赤色を見たときに食欲が増進するとしたとき、自分が青色を見て食欲減退を感じているときに感じている青は、他人が見たら赤色を見て食欲増進を感じているときに感じている赤かもしれない、と言い換えられるわけです。
脳波も同様で、人は一般的に青色を見たときに脳波Aが測定され赤色を見たときに脳波Bが測定されるとしたとき、自分が青色を見て脳波Aが測定された時に感じている青は、他人が見たら赤色を見て脳波Bが測定された時に感じている赤かもしれない、と言い換えられることになります。