日記
グレーリング『ウィトゲンシュタイン』
今まで読んだなかで一番的確でわかりやすい入門書です。とにかく『論考』の意義がはじめてわかった、ような気になれた、だけでも非常にありがたかったです。『論考』は何をしようとしているのか、何を狙っているのか、について、自分の実感と地続きで理解できるきっかけを得やすい本だと思います。ウィトゲンシュタインにはすでに様々な入門書がありそれぞれ親切でわかりやすいのですが、理解はできても結局『論考』ってなんなのか、どういう重要性があるのか、何を達成しようとしているのか、その達成にはどういう意味があるのか、なぜその達成が必要なのか、については私はいままでほとんどわかりませんでした。この本はまさにそこのところがいきなり噛み砕いて説明されるところから始まります。泣けます。(楽していいもの得ようとしてそれが得られたら喜ぶ。それでいいのか、と思います。楽していいものが得られたと思ったが実はそれはいいものでない、または、得るのに必要な苦労と得られたものの良さに関係があると考えるのは誤っている、もしくは、……)こんなことは今までに読んだ本にはなかった。一番魅力的でおもしろいウィトゲンシュタイン入門書は永井さんの『入門』であることはまだまったく揺るぎませんが、一番わかりやすい本、人に薦める本(そんな場面はありません)、ならこの本を挙げます。ど素人が挙げてすみません……。
元の本はこれです。これだと早く知っていたら……(別に何もありません)
Wittgenstein: A Very Short Introduction (Very Short Introductions)
- 作者: A. C. Grayling
- 出版社/メーカー: Oxford Univ Pr
- 発売日: 2001/07/28
- メディア: ペーパーバック
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- 作者: A・C・グレーリング,岩坂彰
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1994/06/01
- メディア: 単行本
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