怒りの自己肯定

怒りには強い自己肯定感が伴います。怒りは受動的ですが、怒りのほんのかすかな兆しを感じた瞬間、それをどういう方向に持っていくか、どういう怒り表出を行うことで最も自己肯定感を味わうことができるか、という能動的な意志が強く動きます。つまり、初発は自動だとしても次の瞬間、素晴らしい個性ある自己表現としての怒り表出がほとばしるわけです。怒りは個性であり、誇るべき自己表現の一種なのです。そういうところが、まるで相手のすきを狙って技を仕掛ける格闘技の動きのようにも思えるのですが、ではこの自己表現、自己肯定、自分の誇りの発露と一体化してしまった力強い怒りの人間的過程を防ぐにはどうすればいいでしょうか。