『略称・連続射林殺林魔』

カメラは網走-青森-渋谷-香港-原宿など永林山が彷徨った道程を辿り、眺めたであろう風景をのみ写し続ける。
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快いとは言えないBGMつきの街の日常の断片が連続するだけで、たまに監督のナレーションが入ります。「射林殺林魔」の、中学以降数ヶ月と同じ場所にとどまれなかった生活の連続には驚かされますが、そのように驚かされるのは、ナレーションによって、ということになります。映像は「射林殺林魔」の暮らしていた街の映像だろうということが、ナレーションと一致する看板などの文字によってわかります。数秒も固定されず次々と変わっていく映像は、いろいろな街を風景を映すだけでなく、解像度の低い映像、粗くない映像、彩度の落ちた映像、などが混在するのですが、長くナレーション無しの映像が続くと、単調と感じてしまったのか、眠くなってしまうのを避けることができませんでした。ごめんなさい。眠くなったところでナレーションが入ると、ここも数ヶ月しか続かなかったのか、ここもまたすぐやめたのか、と思って目が覚めます。ナレーションで言っていた土地の名前が看板などに見えると、ああここに住んでいたんだなと思って目が覚めます。有名地の有名建物が目に入ると、ああこの有名地に住んでいたんだなと思って目が覚めます。私が知っている土地私が住んでいた土地を示す文字が目に入るとあ、ここ知ってると思って目が覚めます。つまり、映像で眠くなって、ナレーションや情報で目が覚める、という、映画を見ていることを試されているような、それに全部負けてしまったような、普段、テレビを見てるんじゃない! 映画を見てるんだ!(テレビ差別) などと思っていながら、結局はテロップ大好きなんだな、という、そういう結果になりました。申し訳ありません。
自転車で牛乳配達をする少年が脚を自転車の後輪の上に大きく広げて自転車に乗るところが何度もありましたが、そこはダイナミックさを感じました。