意味の誤り・感覚の誤り

通常、大人に関しては、基礎的な言葉の意味理解の誤りは想定されない。自分は月に座っていると主張する人でさえ、言語理解が誤っているとみなされることはまずない。言語理解は正しいと前提したうえで、事実把握の誤りとその原因としての精神疾患が帰されるであろう。つまり、そういう妄想を抱いているとみなすのである! 砂糖をなめると「酸っぱい」と感じると言う人をそう感じているとみなすのと同様に。*1
しかし、そう感じているとはどう感じていることなのか。そういう妄想を持つとはどういう妄想を持つことなのか。ここでわれわれは、鋤を入れることのできない岩盤に突き当たっている。私が私自身に対しても、われわれがわれわれ自身に対しても。言語はここで行き止まり、自らを反復するほかはない。


『私今神』P204


ここを自分に対して噛み砕いて説明しておかないと後で絶対忘れるとは思っていなかったけどなんとなくなるほどなあと思って通り過ぎたら今見ると理解できなくなっているのでやっぱり読書メモは必要だと思った。メモするとなんでこんなあたりまえのところをくどくどメモしているのかわからないと思うのだろうがそれはメモをして理解と記憶が進んだからそう思うのであってメモせずにあとで読むとわからなくてうろたえることであろう。

*1:言ったのがこどもなら、「それは椅子だよ」とか「それは“甘い”というんだよ」と指摘される可能性がある。