確実

三〇
誰かが何かを確かめて、こう言う。「たしかに計算は合っている。」この場合彼は、確実性という自分の状態から結論を導き出したのではない。主観的な確実性から客観的な事態がどうあるかを結論するのではない。
確実性とは、事態がどうであるかを確言するときの語調のようなものだ。ただしひとは、その語調から主張の正しさを結論するのではない。