スピノザ『デカルトの哲学原理』(岩波文庫)isbn:400336158X

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神の創造前には持続も時間も空間もない。神が永遠であることは、三角形の内角が2直角であることと同じ。ある瞬間から三角形の内角が2直角であるように誰かに作られるわけではない。神は物体(持続)を創造した。時間とは持続の尺度、つまり思惟に属するものである。それゆえ創造(持続)以前には時間はなく、創造の前は? 神の前は? 神を作ったのは? と考えることは、空間の外に空間があると考えるのと同じ間違えである。時間の前に時間はない。前とかあととか言えるのは時間内での話で、時間の前を考えるのは、時間自体を時間的に見る間違いである。空間も同じ。